従来のバリ取り機とメタルエステの違いについて

メタルエステを開発した経緯を教えてください。

弊社は板金加工業です。毎日の作業でパンチ、レーザー切断、シャー切断、切削加工など金属を加工した後に必ずできる、シャープエッジやバリの除去作業を、なんとか簡単に、安全に、均等に、バリ取り出来ないかと考えていました。

しかし、市販されていたバリ取り機ではバリの取れ方の不均一性、ブラシに生じる偏摩耗などの問題があり、私たちの求める理想のバリ取りを行うことはできませんでした。

そこで、私達自身が満足できるバリ取り品質を追求したことが「メタルエステ」開発のはじまりです。

従来のバリ取り作業の欠点はどのようなものがありますか?

まず第一に、従業員の健康・安全面での要因があります。

バリ取り作業は、作業員が中腰の状態で行うので、腰痛の原因になっています。また、研磨した粉塵を吸い込む可能性もあり、さらに、高速で回転する電動工具の使用は、手を切ったり、目に異物が入ったりする事故もありました。

防塵マスク、防塵メガネ、革手袋などの保護具の使用が欠かせません。

第二に、作業員熟練度によるバリ取り精度の不均一の問題があります。

バリを深くとりすぎたり、二次バリを発生させたり、バリ以外の製品面を傷つけたり、バリの取り残しや、ムラなどありました。

第三に、工場内環境の問題があります。

研磨した粉塵が工場内に浮遊し、他の作業員がその空気を吸い込んだり、飛散した粉塵が、製品や原材料への堆積して汚染するなどの二次汚染も考えられます。

メタルエステは、従来のバリ取り作業の欠点をすべて解決していますか?

メタルエステは、下記のバリ取り方式により、縦横、抜き穴に対しても360度均一なバリ取りが可能です。メタルエステでのバリ取り作業は、コンベア上にワークを載せるだけですので、誰でも簡単に作業ができます。
また、バリ取り作業は研磨室内で行われているため、安全を確保しつつ、集塵機により発生した粉塵を回収しているため工場内環境も改善されます。  

性能・仕様について

重量、サイズはどれくらいありますか?

機械サイズ、重量につきましては各機種ページにてご確認頂けます。

機械の騒音はどれくらいですか?

作業位置において80dB以下となっております。

安全面の配慮はされていますか?

メタルエステでは、運転中は出入口扉がロックされ開かないようになっています。ブラシ交換などの扉を開いた状態での作業ではロータ、旋回の運転はできないように安全装置が付いています。さらに機械外側にも不測の事態に備え、非常停止釦が配備されています。

加工について

どのような材質のワークに使用できますか?

各シリーズ共通でSS400、SPC、SUS、銅板 の加工は可能です。

上記以外の材質の加工をお考えの場合は、お手数ですが御相談くださいませ。
加工可能な材質はバリ取り機のシリーズ、装着オプションにより異なります。

よくある質問として『アルミ』については湿式集塵機を装備する事で加工可能。
メタルエステシリーズは表面処理鋼板(SECC、ZAM、SGCC)の加工が可能など。

どのくらいの大きさのワークまでバリ取りできますか?

ワーク幅は機械コンベア幅に応じて異なりますが、最大の機種では幅1300㎜まで対応します。長さはコンベア搬送の為、無制限です。小さなワークに関しては機種により対応サイズが異なります。詳しくは各種製品ページをご確認ください。

どれくらいの厚さのワークまでバリ取りできますか?

メタルエステで最大ワーク高さ70㎜まで、メタルスライダーで最大ワーク高さ40㎜まで可能です。

バーリングや切り起こしなどの立体形状のバリ取りはできますか?

立体形状は治具などによる固定での加工可能ですが、形状や面積にもよりますので、一度ご相談ください。

機種選定のポイントは何ですか?

機種により特性があります。詳しくは特性一覧表をご確認ください。

オプション・施工について

設置するにはどれくらいのスペースが必要ですか?

詳しくは各機種ページの設置・レイアウト欄をご確認ください。スペースがとりにくい場合はご相談ください。集塵機を離した位置に設置する等の工夫が必要となります。

設置にあたって、エステーリンクはどこまで対応してくれますか?

メタルハンズ等の小型機械の場合は車上渡しでお届けさせて頂いております。メタルエステなどの自動機の場合は、バリ取り機及び集塵機の搬入、設置、ダクト工事まで一式お受けいたします。設置場所など事前に打ち合わせをお願い致します。
電気配線工事のみ、お客様にて御手配ください。
※自動機の場合でも、ご希望のお客様には「セルフ設置」をご選択いただくこともできます。その場合は設置マニュアルをお渡しさせて頂きます。また、その場合設置作業費は不要となります。

現地の電気配線工事にはどんなものがありますか?

各機種に合わせた一次側電源工事が必要です。また、自動機の場合は集塵機が付属しますので、集塵機への電源(動力線、信号線)を配線する必要があります。

バリ取り機をインラインで検討しています。自動化対応可能ですか?

前後のコンベアやロボットとの連携など、お打ち合わせにて要求仕様に合わせた特注機をカスタマイズ致します。

メンテナンス・消耗品について

研磨ブラシのほかに、消耗品にはどんなものがありますか?

主な消耗品として研磨ブラシが接触するコンベアベルトがあげられます。メタルエステの場合、コンベアベルトにはワーク吸着の為の小さな穴が開いています。摩耗により吸着穴が広がるとエアーリークが発生し吸着力が低下します。上記要因によりコンベアベルトが摩耗し、ワーク固定が不十分になった際にコンベアベルトの交換を御検討ください。コンベアベルトの他に付属集塵機のフィルタ―があげられます。集塵している粉塵によりフィルタ―の目詰まりが発生した場合は、集塵が不十分になりますのでフィルター交換をご検討ください。

コンベアベルトの交換は大変ですか?

弊社エンジニアにて交換作業を行わせて頂きます。

お客様自身でのベルト交換をご希望される場合は交換作業費は不要となります。その場合は、作業マニュアルをご案内させて頂きます。

日常の管理はどんなものがありますか?

集塵機には粉塵が集積されるため、清掃をこまめに行ってください。また、研磨ブラシも使用に応じて摩耗しますので、適正な研磨量を維持するためにブラシ高さの調整を行います。

定期点検は必要ですか?

機械ですので、定期的なメンテナンスが必要です。

主なものは、オイル交換とグリスアップです。

研磨ブラシはどこまで使用できますか?寿命は?

研磨ブラシは使用によって徐々に摩耗して小さくなります。ブラシを植え込んでいる根本付近まで使用可能ですが、摩耗によって研磨ブラシが小さくなるにつれ、研磨速度が遅くなり研削力が衰えます。どこまで使用するかはバリの取れ具合を確認して頂き、お客様判断でお願いします。
寿命についてはブラシの種類、ワークの材質、加工量、形状によって大きく異なります。長寿命のタイプで半年~1年、通常タイプのブラシで3ヶ月~半年程度が多いです。

その他

メタルエステでの6本ブラシのメリットは何ですか?

もともと4本ブラシでも十分な研磨能力のあるメタルエステですが、6本ブラシにすることにより研磨能力が向上します。単純計算で4本ブラシの1.5倍の研磨能力となります。研磨能力も上がる為、加工速度も上げることができ、作業スピードの向上につながります。
さらにメタルエステのバリ取り方式により、コンベア上のどの位置、どの方向にワークを置いたとしてもムラの無いバリ取りが可能な為、6本ブラシの能力を最大限に発揮することが可能です。メタルエステでの6本ブラシは今までのバリ取り時間を大きく変えることができます。

材質や板厚による加工条件の出し方は?

各板厚、材質においての参考加工条件は予め設定、登録されております。
登録されている条件はタッチパネル上で呼び出し可能なので、作業者の方が変わられた場合でも同じ仕上がりでバリ取り加工が可能です。

ブラシ径が大きいことのメリットは何ですか

大口径のブラシにすることで大きな研削力を得ることができ、研磨ブラシの量も増えることで長寿命が期待できます。

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